劇団ヒトハダの第2回公演『旅芸人の記録』開幕 年末に番外公演『杏仁豆腐のココロ』の上演が決定
上演は東京・浅草九劇で2024年12月12日(木) から22日(日) まで。
■『旅芸人の記録』脚本・演出:鄭義信 コメント
今年の春、生まれて初めて大衆演劇の演出をさせていただいた。同じ演劇と言えど、今まで経験したことのない世界である。
昼夜公演が終わった夜十時過ぎに、明日の舞台稽古が始まる。舞台の隅にテーブルが置かれ、鮨やお菓子が並べられている。座員たちは、それをちょこちょこつまみながら、台本片手に台詞合わせをする。
朝十時に劇場に伺うと、真っ暗な舞台の上に布団を敷いて、座員たちが眠っていた。大衆演劇の座員達は、昔も今も、舞台上に布団を敷いて寝ている。
舞台の上が、まさに彼らの職場であり、生活空間でもあるのだ。
なんだか怖ろしくかけ離れた世界でありながら、その舞台の上で演じられるのは、やはり人間の変わらぬ業であり、義理人情であり、愛であり、営みである。いつの時代であれ、とりまく状況が変わったとしても、変わることのない人の思いを、今回の作品を上演することで、ほんの少しでも掬いとれることができたなら、作家、演出家として、これほどの喜びはない。
■『旅芸人の記録』座長・大鶴佐助 コメント
実家の廊下の先は稽古場だった。