2023年11月9日 18:00
『Grasshopper』初の新宿LOFT公演! 企画の歴史を彩る4組の対バン【レポート】
が弾き語りを始める。寂しげな歌声から始まった『りんごの駅』は、突然感情を変えて大きな音を奏でる音楽に変化した。ファズギターの力を最大限開放した迫力ある1曲だった。
最後の1曲は『たからもの』。オレンジ色の照明に照らされ、温もりあふれるステージで、最後に一番暖かい音楽を聴いた。下を向いて音楽と歌に集中して聴く人が多くいた。音を味わっているのか、それとも何か思い出しているのか。何にせよ、純粋にHammer Head Sharkの音楽を受け止めていた。
ライブは一貫してミッドテンポの曲で構成されていたが、それゆえに彼らの音楽の良さが真っ直ぐに伝わってきたように思う。
Gill Snatch
本日のライブで唯一の3ピースバンドだ。黒い服に身をつつみ、不穏な雰囲気を漂わせる。『W.I.P?』ではギターの棘のある歪みが体を突き刺してくる。攻撃的な音に対して、歌声は非常に滑らかで優しい。『Left』では音の輪郭が崩れるほど歪んだベースの音が鳴り響き、ステージが真っ赤に染まる。ノイズか音かの瀬戸際を攻めるスリリングな音楽に気分が高揚していく。ドラムの金物の音もザワザワと鳴り響き、バンドサウンドに彩りを加えた。