2022年3月10日 07:00
監督が解説! 『THE BATMAN-ザ・バットマン-』はこれまでのバットマン映画と何が違うのか?
「ヒッチコック的なストーリーテリングでは、視覚的に誘われ、自分とは違うキャラクターの立場を体験することで、キャラクターに対するシンパシーが深まるのと同時に、時に居心地悪くもなります。
物語が進んでいった後で、それが正しかったのか? と思うようなものに共感していることに気付き、『すっかりその気になっていたけど、もしかしたらそれは正しいことではなかったのかもしれない』と考えるようなストーリーテリングです。この語り口を使うことで、観客も能動的に物語に関わることができる。それを実現できれば、本当に新鮮でエキサイティングな形でバットマンとブルース・ウェインを見ることができるのではないかと思ったのです」
今週末、私たちはあのバットマン=ブルース・ウェインの目を通して世界を眺め、彼の混乱して複雑な心に寄り添うように犯罪都市を捉えることになるだろう。繰り返される殺人、犯人から提示されるヒントと謎、つながっていく手掛かり……その先でブルースは、彼の目を通して物語を観た観客は、何に出会うのか?
本作は設定やキャラクターや世界観ではなく“視点”と“語り口”を変えることで繰り返し描かれてきたバットマンを新生させた意欲作だ。