2022年10月18日 18:00
監督が意図した“深み”を徹底再現。映画『エルヴィス』のブルーレイ/DVDが発売。
本作の監督を務めたバズ・ラーマンは映像に徹底にこだわる人物として知られており、本盤は監督の想い、意図を余すところなく楽しめる内容になっている。
本作の撮影は、ラーマン監督と『オーストラリア』でもタッグを組んだマンディ・ウォーカーが担当。映画は全編がデジタルで撮影され、いくつかのシーンを除いて巨大なセンサーを搭載したカメラArri Alexa 65が使用されている。
通常、巨大センサーを搭載したカメラで撮影された映像は、細部までが丁寧に表現され、色彩も鮮やか、画面の明るい場所と暗い場所の階調が細やかに表現されることが魅力だ。視聴会で披露された映像でも、ステージで歌うエルヴィスの衣装の色の階調の細やかさと美しさ、ライトを浴びる彼とステージの光の加減、誰もいないスタジオでひとりたたずむエルヴィスを捉えたショットの暗闇の部分の表現などは格別で、立体的な音響も相まって“まるで目の前にエルヴィスがいる”感覚を味わえる。
その一方、本作はエルヴィスが活躍した1950年代から70年代を主な舞台にしており、劇中には過去の記録映像やフッテージ、当時の写真などが折り込まれ、映画のために撮影した映像も劇中の時代の空気感を出すために撮影後に処理が行われている。