資生堂が時代ごとに創造してきたクリエイティブワークの一端を紹介する企画展シリーズの第一弾として、1970年代にフォーカスした展覧会が、東京・銀座の資生堂ギャラリーで、6月6日(火)から7月30日(日)まで開催される。
1970年代は、若者たちのファッションやライフスタイルに影響を及ぼす雑誌メディアが登場し、多くの流行を生み出した時代だ。資生堂もまた、こうした時流にのって広告を展開したが、その際に特徴的だったのは、商品をダイレクトに訴求するというよりは、むしろビジュアル・イメージとコピーとの間にあるギャップや余白から生じる物語性によって、観る者を魅了したことだという。さらにその広告をシリーズとして展開することで、独特の世界観を浮かび上がらせ、ブランドイメージを強固なものとしていった。
このイメージとコピーとの組み合わせのギャップや余白、すなわち「あいだにあるもの」に注目する同展は、1970年代の資生堂を代表するブランド「シフォネット」や、男性用化粧品「MG5」「ブラバス」、香水「モア」などの雑誌広告約150点をグラフィックと映像で紹介するもの。その「あいだにあるもの」によって、来場者の想像力をかきたて、当時の広告がもっていたエレガンス、センシュアリティ、ユーモアなどの魅力が伝わるような展示になるという。