人も動物も物も、全てがボリューミー! 『ボテロ展 ふくよかな魔法』Bunkamuraザ・ミュージアムで開催中
ボテロが現在の画風を「発見」したのは、実は静物画がきっかけだ。1956年のある夜、マンドリンを描いていたボテロは、マンドリンの穴をとても小さく描いたとき、その輪郭と細部に大きなコントラストが生じ、楽器が膨らんで見えることに気づいた。この気づきから彼はボリューム感あふれる作風を進んでいく。展示作品も、静物でありながらむちむちとしており生命感をも感じさせるものが多い。
《楽器》は1998年の作品。極度に小さく描かれているギターの穴を見ていると、ボテロの「発見」が追体験できそうだ。
フェルナンド・ボテロ《楽器》1998年
フェルナンド・ボテロ《黄色の花》、《青の花》、《赤の花》2006年
第3章は「信仰の世界」。1930年代から1940年代、ボテロが若い時を過ごした故郷のメデジンでは、聖職者がとても高いステータスにあったという。その世界をユーモアと風刺を交えて描いている。
展示風景より
1956年、23歳のボテロはメキシコ芸術と出会い、自分自身に眼差しを向けるようになっていく。第4章「ラテンアメリカの世界」では、ボテロ自身のルーツであるラテンアメリカを描いた作品を紹介する。
展示風景より
展示風景より
第5章は「サーカス」。