2022年8月26日 12:00
『アキラとあきら』監督が語る竹内涼真・横浜流星の魅力。「ふたりの芝居に対するアプローチが違うことが重要になりました」
ドラマ的な面白さや俳優の演技だけでなく、映画としての“語りの変化”も本作の見どころのひとつだ。
「今回の作品は自分の演出意図がすごく出しやすい題材だったのかもしれません。恋愛映画だと、どうしても観る方の主観であったり、観る方の恋愛経験が乗ってくる難しさがあるんですけど、今回はキャラクターの描き方もしっかりと俯瞰的に考えることができた。だから迷いなくできましたね」
『アキラとあきら』は“観る人を勇気づける映画”に
とは言え、映画を観ると本作はこれまでに三木監督が描いてきた要素がしっかりとつまっていることがわかる。異なった境遇や価値観、宿命を背負った人間が出会い、単なる“好き/嫌い”を超えてお互いを理解していくドラマ、人物を描写する際に俳優だけでなく“俳優とその背後にある自然”を重ね合わせる演出……ジャンル的には“恋愛映画”と呼ばれる作品群の根底にあった三木監督のカラーやこだわりが本作でも色濃く描かれている。
「そうですね。この映画も基本的には“相互理解”の話です。ただ、僕はそのことについては悲観的なんです。
現実の世界では相互に理解し合うことはなかなかできないからこそ、映画の中、フィクションの中では希望を描きたくなるんだと思います」