2023年7月17日 12:00
石田ひかり×ペヤンヌマキ ひと筋の希望になるような「優しい舞台」を 待望の舞台化『ピエタ』がいよいよ開幕
女性たちの身分を越えた絆に焦点を当てたい
──上演台本を作成する際に、どのようなことを意識されたのでしょうか。
ペヤンヌ女性たちそれぞれのキャラクターと関係性、ここに焦点を当てることを第一に考えました。ヴェネツィアの街を具体的に表出するのは相当大変なことなので、そこは演劇ならではの表現で、抽象的に見せて、どの世界にも、もしかしたら今の私たちにも通じる物語として見せられたらなと。女性たちの身分を越えた絆に焦点を当てたい、その思いがありました。
石田厚みのある、読み応えのある小説を台本にまとめるのは本当に大変な作業だったと思うんですよね。私、台本を何度読んでも必ず涙が出るんですよ。ここに出てくる詩の一節、「むすめたち、よりよく生きよ」という言葉がとても胸に響いて。リーディング公演の時も私ちょっと涙が出ていたと思うんですけど、本当に、何度読んでも心が震えました。
──稽古場で今、どんな感触を得ていますか?
石田私にとって本当に憧れの先輩方ばかり、芸達者な皆さんとプロの音楽家の方に囲まれて、学びの多い時間になるなということはもう3年前から思っていて。正直なところ、この時期が来るのが怖かったのもありました。