2021年12月1日 19:00
ディズニー最新作『ミラベルと魔法だらけの家』が描く“新たなヒロイン像”
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ディズニー・アニメーション・スタジオの最新作『ミラベルと魔法だらけの家』が日本でも公開をスタートし、大ヒットを記録している。ディズニーは様々なタイプの主人公を描き、その内面やドラマは時代と共に変化・進化してきたが、本作の主人公ミラベルはこれまでのディズニー・ヒロインにはない魅力を備えている。
映画の舞台はコロンビアの山奥にある不思議な力に包まれた場所。そこには魔法の力をもつ大家族マドリガル家が暮らしているが、主人公のミラベルにはなぜか魔法の力が備わっていない。ある日、彼女は家に亀裂が入り、この家から魔法の力を消える前兆を見つけてしまう。
これまでの多くのディズニー作品では主人公が何らかの問題や足りない部分を抱えていて、作品を通じて問題を解決し、成長し、足りないもの、欲しかったものを手に入れてきた。多くのディズニー作品の冒頭では主人公が自分が何を求めているか歌い、それらは“I want”ソングと称される。
ミラベルもまた、自分の人生に何らかの不足や負い目を感じている。
家族はみな、花々を咲かせる魔法で人々を幸福にしたり、食べ物でどんな傷もいやしてしまう能力を持っていたりするのに、ミラベルには不思議な力がないからだ。