2021年6月11日 18:00
音楽劇『GREAT PRETENDER』演出・河原雅彦「オチが知られた詐欺ものも演劇の手法で面白く」
しかもこの作品は、騙し騙されのどんでん返しが肝なのに、それも知られてしまっている(笑)。
──確かに。それは困りますね。
ただ僕は、’19年に『オリエント急行殺人事件』というアガサ・クリスティーの小説の舞台化を演出させてもらったのですが、これもオチは有名ですよね。それを演劇なりの手法を駆使して、「話を分かっていても楽しめる舞台にする」、ということを経験しているので。だから今回もあれこれ策を講じているっていう感じです。
──その策というのは、例えば音楽劇にすることなどですか?
そうですね。音楽劇……実は歌うのは2曲くらいなんですけど(笑)、でもジャズを基調としたオリジナルの曲も劇伴としてつくっていただいて、生バンドの素敵な演奏がずっと鳴っているような舞台になります。
あとは、美弥るりかさんにローラン・ティエリー(フランス人男性の信用詐欺師)を演じてもらったり、キャスティングにおいても舞台ならではの外連味を意識したり。あ、美弥さんについてはなんのオチもないですからね?実は女性でした! とか一切なくてガチの男性役です。
──美弥さんは元宝塚歌劇団の男役スターでいらっしゃいますからイメージはしやすいですが、なにか秘密があるのかなと少し思っていました。