くらし情報『「日本を救いたい、その一心だったのでは」。原発事故に直面した総理大臣を演じるうちに小日向文世に芽生えた共感』

2023年6月13日 12:00

「日本を救いたい、その一心だったのでは」。原発事故に直面した総理大臣を演じるうちに小日向文世に芽生えた共感

と語る。

「日本を救いたい、その一心だったのでは」。原発事故に直面した総理大臣を演じるうちに小日向文世に芽生えた共感


福島第一原発を地震と津波が襲い、全電源が喪失。全6基ある原子炉のうち4基が制御不能になったという知らせは官邸にも届いていた。当時、遅々として進まない事故対応や情報が錯綜していることに苛立っている総理の姿がしきりに報道されたが、小日向は「演じていく中で、当時の印象とは違う感情を抱いた」という。

「確かに総理はずっと怒鳴っているはいるんですよ(笑)。でも演じていくうちに、あのとき、日本は本当に分断の危機にあったのかもしれない、と思ったんです。そうなれば、総理は“この先、日本はどうなってしまうんだろう”という不安を抱えて、“何をしても国民を救わなければならない”と思いますよね。
だから、その点では本当に素直な気持ちで演じるようにしました」

「日本を救いたい、その一心だったのでは」。原発事故に直面した総理大臣を演じるうちに小日向文世に芽生えた共感


確かに周囲に怒鳴り、不機嫌な顔を見せる本作の総理は理想的なリーダー像とはほど遠い。しかし、総理が状況を知りたくても周囲は官僚的な答えしか返さず、専門家は責任を取りたくないために曖昧な回答に終始する。

「時間との闘いの中で思わず、“一体、何をやっているんだ!”と怒鳴ってしまったんでしょうね。何を質問しても教科書的な情報しか入ってこないと、そんなことはいいんだ!と思ってしまう。

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