2022年4月10日 12:00
流麻二果、4年ぶりとなる日本での個展『その光に色を見る Spectrum of Vivid Moments』開催
4年ぶりとなる日本での個展はこの「女性作家の色シリーズ」ほか、新作を含めて約13点を展示予定。
<流麻二果・ステートメント>
私は自然光のもとで絵を描く。色を見つけるには、人工の強い光ではなく、柔らかく隅々まで照らしてくれる太陽の光が必要だからだ。
強い光のもとでは、あらゆるものが明るみになる。と同時に、影になって見えなくなるものもある。社会の仕組みの中で見えなくなってしまっているもの、我々が見て見ぬふりをしてきたもの。人工的な強い光は影も生んできた。
自然の光の下では、移ろいや機微を捉える曖昧な眼を自分の中に感じる。
曖昧さは時に欠点なのだが、強い光では見えない多様で深層的な光を感じとることができる力とも捉えている。
例えば、生きていることを感じる光。戦時を生き残り、彫刻家として生き抜いた父が数年前に死を迎えた時に放った光は強烈であったし、このパンデミックで世界には一様に生きようとする光が放たれていた。そして日本文化が作り出した「女性らしさ」に抑圧されながらも制作した作家たちの作品の力強い光。そうした光を見つけ、受け止め、その光のもとに見えてくる多彩な色を「生きている色」として描く。