2022年4月14日 18:00
世界遺産・国立西洋美術館が約1年半ぶりにリニューアル・オープン ル・コルビジュエが構想した開館当初に近い姿に
2020年10月より休館していた国立西洋美術館が、4月2日(土)より約1年半ぶりに再開館した。開館当時の姿に近づけ、設計者であるル・コルビュジエの思い描いた美術館像がイメージしやすくなっている。
1959年に完成した国立西洋美術館は、20世紀建築や都市計画に多大な影響を与えたル・コルビュジエの設計。彼が提唱した「近代建築の5つの要点」を表現した建築は、ほかの16の建築とあわせて「ル・コルビュジエの建築作品―近代建築運動への顕著な貢献 ―」として2016年に世界遺産に登録された。
ちなみに、近代建築5つの要点とは、ピロティ、屋上庭園、自由な間取り、水平に連続する窓、自由な立面(ファザード)のこと。現在ではどの要点もとりたてて新鮮さはないが、コルビュジエが子供のころの建物には存在しない、斬新なものであった。
アントワーヌ・ブールデル《弓をひくヘラクレス》1909年
今回のリニューアルにおいて一番の注目ポイントは前庭。本館と外の道路の境界線上に配置されていた植栽を最小限にとどめ、柵を透過性のあるものに変更、道路と広場に繋がりが感じられるようになり、大きな開放感が生まれた。
オーギュスト・ロダンの《考える人》や《カレーの市民》などの野外彫刻は、当初置かれていた配置に近づけた。