2021年12月16日 12:00
バンクシーのルーツを探る特別展示も 『バンクシー展 天才か反逆者か』東京・原宿にて開幕
描かれた男性は火炎瓶ではなく花束を手にしており、平和的な抵抗を表現している。
《スロウアー》
同展ではさらに、《ラブ・イズ・イン・ジ・エア》の貴重な三部作版《スロウアー》も紹介。これは、2017年にバンクシーがイスラエルとパレスチナ地区を防壁の前に開業した「ザ・ウォールド・オフ・ホテル」のロビーに展示されているもの。バンクシー曰く「世界一眺めが悪い」ホテルのプロジェクトについても紹介されている。
「ザ・ウォールド・オフ・ホテル」の紹介コーナー
今回、東京展から初お目見えとなるのが、バンクシー作品のルーツを探る「バンクシーと世界の芸術文化」というコーナーだ。こちらで紹介されているのは、バンクシーがアンディ・ウォーホルの代表作《マリリン・モンロー》を引用した《ケイト・モス》。当時、時代のアイコンだったスーパー・モデルを起用したこの作品を通して、バンクシーはウォーホルの時代から変わらずアート・マーケットが消費市場主義であるということを指摘している。会場では両者が合わせて展示されているほか、同じくウォーホルの《キャンベルのスープ缶》にインスピレーションを得た作品《スープ・カンズ》、さらにもうひとり、バンクシーが大きな影響を受けたというジャン=ミシェル・バスキアの作品《ジョウボーン・オブ・アン・アス》(1982~2004年)