新世代が魅せる! Kバレエ看板作品『ドン・キホーテ』
![『ドン・キホーテ』 撮影:Hidemi Seto](https://imgc.eximg.jp/i=https%253A%252F%252Fs.eximg.jp%252Fexpub%252Ffeed%252FLP_P_PIA%252F2022%252FLP_P_PIA_a7a45fcd_5056_43c0_a805_1f4c6c1b0116%252FLP_P_PIA_a7a45fcd_5056_43c0_a805_1f4c6c1b0116_3e194d9ab82a62dbee2c_1.jpg,small=600,quality=80,type=jpg)
撮影:Hidemi Seto
熊川哲也Kバレエ カンパニーSpirng2021『ドン・キホーテ』が19日(水)に開幕。前日のゲネプロを鑑賞した。
観客をハッピーな気持ちで満たしてくれる古典の名作『ドン・キホーテ』。数ある版の中でも、Kバレエのそれは格別だ。当代髄一のバジル・熊川哲也その人が、自身の経験と理想のすべてを注ぎ込み、生まれたのがこの熊川版。舞台美術と衣裳デザインも自ら手掛けるほどこだわり抜いた本作は、2004年の初演以来、カンパニーの看板作品の一つとして磨かれてきた。
舞台は、老騎士ドン・キホーテが憧れの姫ドルシネアを追って旅に出るプロローグで始まる。幕が開くと、この恋物語の主人公、キトリとバジルが住むバルセロナの町。
石造りの重厚な建物がそびえ立つ。若者たちの衣裳をモノトーンで統一するなど、全体の色調は意外なほどシック。だが、そこで暮らしを営む住人たちが、談笑し、戯れ、踊ることで、たちどころに鮮やかな色彩が放たれる。そう、町の“色”は人々によって作られるのだ。しかも、あらゆる登場人物たちが個性を持ち、ドラマを繰り広げているので、隅から隅まで見飽きることがない。
熊川ならではの緻密でダイナミズムあふれる振付、それを踊りこなす技量の高いダンサーたちが畳みかけるように展開する舞踊の見応えは圧倒的。