2024年4月22日 12:00
草彅剛主演『碁盤斬り』、武士の品性と情念を重厚に描いたすごい時代劇【おとなの映画ガイド】
(C)2024「碁盤斬り」製作委員会
草彅剛が誇り高き武士を演じる映画、『碁盤斬り』が5月17日(金) から公開される。『孤狼の血』などでアクション映画に新風を吹き込んだ白石和彌監督が初めて手がける時代劇。古典落語の『柳田格之進』を大胆に脚色し、人情噺を武士の尊厳と親子の情愛が際立つ骨太な復讐ドラマに作り上げた。共演者も清原果耶、國村隼、小泉今日子、市村正親、斎藤工、中川大志と魅力的な顔が並ぶ。気は早いが、今年の日本映画を代表する一本といいたい作品だ。
『碁盤斬り』
古典落語の『柳田格之進』は、囲碁を巡る人情噺だ。
故あって江戸の貧乏長屋で娘のお絹と浪人暮らしをする柳田格之進は、囲碁の仲間である萬屋源兵衛の大金紛失騒ぎに巻き込まれ、あらぬ疑いをかけられる。父の窮状を見かねたお絹が吉原に身をしずめて金を作ることになってしまい、格之進は、その金を萬屋の手代に渡す際に「もし紛失した金がでてきたら、お前と源兵衛の首をもらう」と言い放って去る。
そして、ついにその年の暮れ……といったお噺。
この名作を、落語家がそれぞれの解釈と演出をほどこして語る。それが愉しみなのだが、正直、毎回、噺の中にどうにも腑に落ちない箇所がいくつかあった。