くらし情報『演技、光、部屋……すべては“感情”表現。監督が語る映画『ザ・ホエール』』

2023年4月6日 12:00

演技、光、部屋……すべては“感情”表現。監督が語る映画『ザ・ホエール』

それは、多くの人には理解されない行為かもしれない。反発する人もいるかもしれない。しかし、チャーリーは、過去のアロノフスキー作品の主人公同様、あらゆる逆境や周囲の声に背を向けて、自らの信念を貫こうとする。

「私はインディペンデントで映画を作り始めましたから、初期の頃は主人公が外から敵対する力と戦うような映画をつくるだけのお金がなかったんです。そこで私は主人公が“人の心理”と戦う映画をつくることになり、道が拓けていきました。だから、自分自身の心理や人類の心理、そういうものに踏み込んでいく作品が多くなったのだと思います」

なお、アロノフスキー監督は成功をおさめ、大きな予算を投じた作品であっても、繰り返し、逆境の中で自分と向き合い、信念を貫こうともがく主人公の物語を描き続けている。『ザ・ホエール』を彼が手がけたのは偶然ではない。

演技、光、部屋……すべては“感情”表現。監督が語る映画『ザ・ホエール』


生きているのがやっとなほど体調が悪化しても、彼が入院しないのはなぜだろう? 彼は久々に再会した娘に何を伝えたいのだろう? それが明らかになった時、巨体のチャーリーと彼が引きこもった部屋に強い光が差し込む。
主人公の内面に寄り添い、まるでその場にいるかのように描かれる本作を観ているあなたはその光を“見る”のではなくチャーリーと共に“浴びる”ことになるはずだ。

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