2021年9月14日 18:00
明治・大正・昭和にかけて活躍したグラフィックデザインのパイオニア 杉浦非水の全貌に迫る『杉浦非水 時代をひらくデザイナー』展をレポート!
自然に対して真摯に向き合ってこそ、独創的な図案が生まれるという信念を持っていた非水は、終生、自然から学ぶ態度を崩さなかったという。
そして、自然をモチーフにした図案集や絵葉書を立て続けに発表する。クライアントの制約なしに、自由な表現を模索する非水の図案は、現在の私達にも新鮮に映る。
《非水百花譜》(昭和版)1929年
非水が手掛けた図案集
非水が手掛けた絵葉書(1914〜15年頃)当時は絵葉書が大ブームだった
1922年、46歳で初めてヨーロッパへ赴き、現地の最先端のデザインに触れた非水は、帰国後、より明快でシャープな作風へと移行していく。最終章となる第4章「非水が目指したもの、のこしたもの」では、彼がグラフィックデザインのパイオニアとして、何を目指し、後進に何を残そうとしたのかに迫っていく。
より力強い印象を与えるようになった杉浦非水による三越のポスター1930年代
ヨーロッパから帰国後に手掛けた図案集より
杉浦非水のポスター左 ヤマサ醤油 1920年代 右 東京都道路祭「久野の文化は道路から」昭和3年(1928)頃
明治・大正・昭和という激動の時代を駆け抜け、バラエティ豊かなデザインを残した杉浦非水。