2022年7月22日 11:00
同性愛者たちの葛藤を紐解く『The Pride』岩男海史×池岡亮介×井上裕朗インタビュー
観客に「イメージさせる」時空間でありたい
──おふたりの人間的な魅力をどんなところに感じて、それぞれの役に就いてもらったのでしょうか?
井上海史はエネルギッシュでオープンな性格で、とにかくよく喋る(笑)。勇気があって思い切りがいいのも、俳優としての武器だと思います。一方で「掘っていったらまだ何かありそうだな」と感じさせる面もあるんですよね。奥に脆いものを秘めたオリヴァーに通じるような気がしてイメージが湧きました。
岩男僕の奥底に眠っていそうなものは、衣裳デザインを手がける両親をはじめ、アーティストの家庭に生まれ育った業というか独特な幼少期が関係している気がしますね。僕の口数が多いのはシンプルに「人間が好き」なのもありますが、寂しがりで甘えん坊の裏返しなのかも。自覚しているわけではないのですが、そんなところはオリヴァーと重なる部分がなくはないのかなって。
井上亮介は対照的で、めちゃくちゃシャイでナイーブ。
加えてまっすぐに人と向き合う人だな、と第一印象から感じています。フィリップは1958年と2008年で真逆の結末へ向かうんですが、各時代に共通しているのは「固い決意」ですね。これと決めたら絶対に譲らないストレートな面がフィリップと重なるような。