ものは無常で流動的である 菅木志雄の新作展「集められた〈中間〉」小山登美夫ギャラリーで開催
本展では「ものは無常で流動的なものであり、作品はそのプロセスである」ということを焦点に作品を展開。さらにギャラリースペース奥の部屋全体を使ったインスタレーションと、壁面の立体作品の新作を発表する。
新作である『景素』と『場空』は端に置かれた数個の枝の断片と断片、その間を小さな石や木片が自由に軌跡を表しながら連なり、並べられている。その連続性がまるでものが意思を持って動いた結果であるかのようにそれぞれ異なる様相を表し、無限のリズムやエネルギーが作品の枠を超えてどこまでも続いていくかの様だ。
また新作インスタレーション作品『集空果』は、石とロープという限りなくシンプルな「もの」が部屋全体に縦横無尽に放たれ、果てしない連続性と空間性が、観るものの意識を活性化してくれるだろう。
フィジカルに人と接することや移動を制限された現在、菅作品を鑑賞することで、私たちはデジタル環境に慣れた感覚を開放し、ものは、人は、思考は、世界は常に変化し、繋がりながらも混じり合うことがない可能性を改めて感じられるはずだ。<ステイトメント>
「集められた〈中間〉」菅木志雄
モノは、だいたいにおいて、ヒトに無関係な時間を在りつづけている。