2021年8月12日 18:00
床から天井まで北斎で埋め尽くされた展示空間は圧巻!『北斎づくし』展、東京ミッドタウン・ホールにて開催中
の挿絵も手掛けていた。読本のセクションでは曲亭馬琴とタッグを組んだ『椿説弓張月』や『新編水滸画伝』を展示。北斎の力強く躍動的な表現は、現代の漫画にも通じるものを感じさせる。
展示風景より。
読本のセクション
《椿説弓張月》より突然の爆発シーン
《新編水滸画伝》より水軍頭領の張順の活躍シーン
《富嶽百景》は《冨嶽三十六景》の制作直後より刊行された、富士を主題とした版本。こちらも全ページを公開している。
《富嶽百景》より
《富嶽百景》より奥付
奥付の名は「画狂老人卍」。頻繁に名前を変えていた北斎の画号の一つ。本展は全ページを公開しているため、巻末の奥付なども鑑賞することができる。頻繁に変わる北斎の画号や、版元の名前、版元のあった江戸の住所なども読み込むと、よりいっそう楽しめるはずだ。
「超没入シアター」
そして、北斎作品の高精細アーカイブデータをあますことなく活用した「超没入シアター」では、北斎の世界から飛び出してきた登場人物たちがダイナミックに、ときにはコミカルに動き回る。
圧倒的な量で鑑賞者の心を掴む、その名に違わず「北斎づくし」の展覧会。北斎の描き込みをしっかりと見て行くと、あっという間に数時間経ってしまうので、時間に余裕をもって鑑賞しよう。