おとな向け映画ガイド 役所広司がうますぎ! 西川美和監督『すばらしき世界』と、おとなのファンタジー『マーメイド・イン・パリ』をオススメ。
相手の事情を忖度せずにずんずん食い込むプロデューサー役の長澤まさみと、三上の人間味に惹かれていくディレクター仲野太賀。旬な役者のなんとぜいたくな起用。最初は万引をしたと疑い、逆ギレされてびびるスーパーの店長に六角精児。“反社”の人は生活保護は受けられませんとつっぱねながら、なんとか救う手立てがないかと考えるケースワーカーに北村有起哉。他にも、橋爪功と梶芽衣子は身元引受人の弁護士夫妻、やくざ仲間の白竜とその妻キムラ緑子。助演賞がいくつあってもたりません。
世の中は敵ばかりではない。きっと手をさしのべてくれる人がいる。
確かに不寛容で生きにくい世界ではあるけれど。観た人により、ちがう受け止め方ができる奥深いタイトルです。
『マーメイド・イン・パリ』
パリに出没すると、人魚姫もポップでおしゃれです。大洪水でセーヌ川に迷い込んでしまった人魚、名前はルラ。美しい歌声で男の心を虜にし、ついには心臓を破裂させてしまうという能力を持っています。その力で自分の身を守っていました。ある日、彼女が負傷して川岸に打ち上げられていたところを、パフォーマーのガスパールが助けます。自宅に連れ帰り、とりあえずバスタブへ。