南こうせつデビュー55周年 ラストサマピは日本武道館「瞬間瞬間を気持ちよく心地よく、柔らかく生きられたら」
当時から美しい声で歌われて、彼女自身も平和に対する思いを込めたメッセージソングを歌っていて。感性で歌を作る、とてもフォークの似合う人だと思っています。
──こうせつさんは現在でも年間かなりのライブ本数をこなしていらっしゃいます。体力面や精神面を維持するために、心がけてることなどありますか?
今考えると……仕事以外のときに何も考えない、目的を持たない。それが一番栄養になっている気がします。休ませるわけでもないんだけど、静寂の時を作るのって良いんですよね。意識はしてないんですけど、仕事のスケジュールの間は埋めないというか。自分の心の奥底が求めてることに従って生きてるというか。
だからどんどん自分の中でスケジュールが変わっていくんですよ。誰かに会って楽しいと思ったら次の人の約束も忘れちゃって、その人に意識がいっちゃう(笑)。でも、それはもうひとつ心がけている、“その日を生きること”に繋がっているんです。
例えば今、こうして向かい合って話してることってすごく幸せなこと。この幸せな瞬間が重なって次の日ができるわけで、その一日が重なって一か月、1年、10年、寿命まで続いていく。つまりこの瞬間瞬間を気持ちよく心地よく、柔らかく生きられたら、それがずっと一生続いていくことになる。