くらし情報『【レポート】人の世を平らかにするのは慈愛か、力か。 「吉例顔見世大歌舞伎」昼の部『極付印度伝 マハーバーラタ戦記』』

2023年11月15日 18:30

【レポート】人の世を平らかにするのは慈愛か、力か。 「吉例顔見世大歌舞伎」昼の部『極付印度伝 マハーバーラタ戦記』

、風韋摩王子(びーまおうじ/中村萬太郎)、納倉王子(なくらおうじ/中村鷹之資)、沙羽出葉王子(さはでばおうじ/上村吉太朗)との王位継承争いに巻き込まれていく。五王子たちもまた、皆それぞれの思いや葛藤を抱えながら戦いに身を投じているのだった。

【レポート】人の世を平らかにするのは慈愛か、力か。 「吉例顔見世大歌舞伎」昼の部『極付印度伝 マハーバーラタ戦記』


さらに迦楼奈の前に立ちはだかるのが、従妹の鶴妖朶(づるようだ/中村芝のぶ)という王女。迦楼奈に恩を売り、友情を誓わせる。そして迦楼奈をまんまと味方につけて自国と五王子との争いに引き込む。ついに、同じ母を持ちながら別々の宿命の下に生まれた迦楼奈と阿龍樹雷の凄まじい最終決戦となる。

兄弟の命を助け、鶴妖朶との誓いを守るためにはどうすればいいのか。やがて進むべき道を見つける迦楼奈。
自らを犠牲にして人の世に平安をもたらそうと決意する。

世は収まったかのように見えた。人々は刹那の平和を寿いで踊りに興じ、神々は再びしばしの間の眠りにつく。迦楼奈が命を懸けてもたらした平安も、すべて神々の掌の上の壮大な実験にすぎないのだろうか。神とは何なのだろう。そんな気持にさせられる幕切れだ。

【レポート】人の世を平らかにするのは慈愛か、力か。 「吉例顔見世大歌舞伎」昼の部『極付印度伝 マハーバーラタ戦記』

インド映画さながらの踊りに数々の歌舞伎演目を想起させる演出。見どころは尽きない

この壮大な叙事詩に歌舞伎の表現や手法が巧みに取り込まれている。

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