2023年11月10日 16:00
【ライブレポート】ego apartment、秋ツアースタート 初日に放った圧倒的存在感
ツアー初日の広島公演でも、いくつもの才能をはっきりと実感できる瞬間があった。まず、ego apartmentは、“緩急の才能”を持っている。さきほど、書いたMCの空気から楽曲への空気の切り替わりもそうだと思う。圧倒的な存在感を放つ楽曲のパワーが、直前まで、どんな空気であれ、一気に楽曲の世界へと聴くものを誘うのだ。ライブの流れだけでなく、楽曲そのものの緩急も魅力的だ。
今回のツアーでも会場のボルテージを最高潮まで到達させたライブのキラーチューン「huu」。キレのいいギターサウンドとメロディアスなベースライン、そしてクラップが合わさるノリの良さが印象的なイントロでは、観客は、ジャンプしながら楽しむことが多いが、Aメロは、打って変わってトーンダウン。心地良いZenの歌声に乗せられて、自然と誰もが、緩やかに肩を揺らし始める。
しかし、再びノリの良いギターの音とともに全員がジャンプを始める。モードの違うダンスフロアを、1曲の中のたった数十秒の間で見せてくれるのだ。
次に、“世界観構築の才能”も感じることができた。今回のライブは全体を通して、“少し怪しげでダーク”だけど“体は自然と揺れる心地よさ”が共存しているように感じた。