2023年5月26日 12:00
【レポート】岡田利規×藤倉大×チェルフィッチュ『リビングルームのメタモルフォーシス』世界初演
空気が乾いてるのかな。まあいいんじゃないですか、いろんな反応があるところが。僕も『ボンクリ・フェス』※のキュレーションをしているのでわかるんですが、みんなが『気に入った』とか言うのは絶対だめ。そういうもんですよ」
※『ボンクリ・フェス』:藤倉がキュレーターを務め、東京・池袋の東京芸術劇場を会場に、今生まれゆく新しい音楽を誰もが気軽に楽しめる催し。藤倉の呼びかけにより、世界中のオリジナリティあふれるユニークなアーティストが集結する。この日は確かに咳は多めだったかもしれないけれど、観客の反応はいたって好意的だったことを、念のため証言しておきたい。
(c) Nurith Wagner-Strauss
岡田にとっては、ウィーン芸術週間への参加は今回で6回目。ヨーロッパ、特にドイツ語圏での人気を如実に反映している回数だ。
「ウィーンのお客さんは、いつもよく観てくれて、今回もいい反応でうれしいですが、僕にとっては、2007年に初めてチェルフィッチュを海外に呼んでくれた(芸術総監督の)クリストフから、ウィーン芸術週間のプログラムにとって重要である新作の音楽劇の創作を提案してもらえた、ということがまずとても大きくて、初日があけた今、そのことを噛みしめている感じです」