くらし情報『ジョージアの伝説的な映画作家が27年ぶりに新作『金の糸』を制作。その想いを語る』

2022年2月25日 12:00

ジョージアの伝説的な映画作家が27年ぶりに新作『金の糸』を制作。その想いを語る

失われた時を求めて表現すること。それは人生においても大きな意味を持ちますし、映画というものが表現できることだと思います。

一般的に言って、人間は記憶と忘却の波打ち際を歩んでいる存在ではないでしょうか。意識的に何かを忘れることもあれば、ある出来事がきっかけになって昔のことをふと思い出したりもする。記憶と忘却の集合体が人間ではないかと思うのです。歴史や過去は個人にとっても国家や集団にとっても重要なもので、歴史を忘れてしまうような国家は早晩、滅びてしまうでしょう。人間はいつも調和を求めるものですから、記憶と忘却をどのように調和させるのか求めていますし、その流れを方向づけたり、このようにすれば?と提案するのが芸術家の役割だと私は考えています」

歴史と呼ばれる大きな時の流れ、ひとりの人間の忘れさられてしまったはずの過去が織り重なる映画『金の糸』は明日から映画館で公開になる。劇場にはエレネと同じように様々な過去=時間を抱えた不特定多数の観客が集まり、私たちはスクリーンに向き合う。
映画の中に流れる時間と、観客それぞれに流れてきた時間は劇場で混ざり合い、見えない金の糸がそれらを丁寧につなぎ合わせることになるだろう。

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