2023年5月31日 18:00
原田美枝子インタビュー ショーン・ホームズ演出『桜の園』は、どんな相乗効果が生まれるのか今から楽しみ
娘に「ロシアに帰るお金すらないかもしれない」なんて心配されているのに、全部チップとしてあげちゃうし。でもなんか最終的にはみんな明るいというか。そこがたぶん、チェーホフの人に対する愛情なんでしょうね。ラネーフスカヤに限らず、それぞれのキャラクターが本当に面白い。で、みんな好き勝手なこと、無駄なことをしゃべっているように見えて、実はその人の生き方がちゃんと出ていたり、すごく哲学的な素敵なことを話していたり、やっぱり無駄話だったり。そういうキャラクターの描き方も、チェーホフはとてもうまいなぁと思います。
――では役者として取り組む上では、彼女たちの人生を、ただ一生懸命に生きるということでしょうか?
そうです。自分自身の人生と同じように、ラネーフスカヤの人生も一生懸命に生きる。
『三人姉妹』の最後にも、そんな台詞がありますよね。「生きていかなければ」って。これも私がすごく好きな台詞です。
――演出は『FORTUNE』(2020年)、『セールスマンの死』(2022年)を手がけられた、イギリス人のショーン・ホームズさんです。すでに顔合わせされたとのことですが、どんな印象を受けましたか?
ショーンさんってすごくパワフルで、それでいて繊細。