くらし情報『真打昇進を控える三遊亭わん丈が語る、“究極のエンタメ”落語の魅力と抜擢真打の本音』

真打昇進を控える三遊亭わん丈が語る、“究極のエンタメ”落語の魅力と抜擢真打の本音

加えてトリとして上がらない23日間も、後半の時間帯に高座に上がることが決まっている。「今まで体験したことのない、寄席連勤が始まります」と気合いを入れる。さらに「なるべく、トリで上がる22日間は、全部違う噺をかけたい。変えりゃいいというものではないですし、寄席というものは“流れ”がありますので絶対とは言えませんが……できる限り、変えたいですね」。こういう貪欲な姿勢が、今現在の評価を引き寄せたのだろう、とチラリと思った。

最後に、わん丈の考える“理想の落語家”とは。「今、コンプライアンスの遵守が叫ばれている時代です。当然ながらそれは、お客さまが不快にならないように守っていきたい。
でも人って、ちょっとした他人の不幸を笑ってしまったり、尾籠な話で笑ってしまうもの。落語の名人は、それを嫌な思いをさせず、笑いに昇華できる人だと思っています。少しエッチな噺でも『色っぽい噺を聞いたな』、ちょっと不幸な人の噺でも『ついてないときってあるよね』と思ってもらえるような。落語でしか表現できない、下品なものを上品に見せる芸というのはあると思う。師匠・円丈の噺で『うんこ三部作』というものがあるんですが(笑)、ある方が『うんこって何度も言っても、円丈師匠がやるとうんこの匂いがしない』とおっしゃった。

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