主人公の“内なる風景”を描く。衝撃作『ミッドサマー』監督が語る
自身の心が揺らぐとき、孤独を感じるとき、恋人が離れていってしまうとき、世界が壊れる、この世の終わりがやってくる。観客はダニーの内面を通じて夏至の祝祭に、すべてのおわりに立ち会うことになるのだ。「僕は映画で世界を作り上げることを愛していますが、それはセットやロケ地などを通じて物理的な世界を作り上げるだけではなく、キャラクターの感情、つまり“内なる風景”を作ることを含んでいます。だから、観客の方が『ミッドサマー』を通じて、ダニーの“内なる風景”を体験し、感じてくれたらうれしいですね」
ちなみにすでに公開されている国や地域では本作のラストに“爽快感”を感じる観客が多かったようだ。しかし、アスター監督は語る。「爽快感を感じてもらった後に、“待てよ。本当にこれでいいのか?”と思ってもらえたら」。『ミッドサマー』は衝撃や爽快感や恐怖よりも強い、いつまでも“心に残り続ける感情”を観る者に宿す映画になっている。
『ミッドサマー』
2月21日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
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