優河 with 魔法バンド、折坂悠太(band)を迎えたツーマン企画『In Other Words』【オフィシャルレポート】
さらに蜃気楼のような儚さが伝わる「夏の窓」、アンビエンス的なサウンドのなかで“あなた”の不在を描いた「手紙」、心地よい揺らぎを感じさせるコーラスからはじまり、穏やかで力強い旋律が流れていく「WATER」。
特筆すべきはやはり、優河の歌だ。現代的なR&B、フォーク、ソウルのエッセンスを取り込んだバンドアンサンブルと共鳴しながら、感情の機微をナチュラルに映し出すボーカルはここにきてさらに深みを増していた。リズムの取り方、ちょっとした所作を含めて、楽曲の世界観を表す身体表現も魅力的だ。
未発表の楽曲も、この日のライブの大きなポイントだった。シンプルなギターリフを中心に置きながら、時間の経過とともにゆっくりと歌の匂いが変化していく「香り」、レゲエとソウルがナチュラルに溶け合う「Don’t Remember Me」はいずれも彼女の新機軸と言っていいだろう。
夏らしい爽やかさを感じさせるグルーヴと切ない感情が交差する「遠い朝」、そして〈あの夜に消えた/あなたとの魔法〉というラインを持つ名曲「魔法」で本編は終了。
鳴りやまない拍手に応え、優河はひとりでステージに登場。さらに折坂悠太を呼び込んだ。