2022年10月4日 07:00
【コラム】『ジャージー・ボーイズ』中川晃教と花村想太のWフランキー体制への点と線
それでもフランキーは中川にしか演じられないのだから頑張ってもらうしかない、と筆者は思っていたのだが、後から思えばこの時すでに、中川の頭のなかには花村の存在があったのかもしれない。
というのも、時は流れ、中川がコンサート版と再演もシングルのまま乗り切り、筆者は筆者でオフに場を移して再開されたブロードウェイ版を観てやはり「私のフランキーはあっきー(はーと)」と実感したりした後の2021年。中川と花村が『きみはいい人、チャーリー・ブラウン』で初めて共演することになり、その対談取材を担当した。すると中川の口から、「『Act Against AIDS』のリハーサルで第一声を聴いて、フランキー・ヴァリができると思って“勧誘”した」なんて話が飛び出すではないか。ふたりが同じステージに立った『AAA』は、調べてみると2016年12月。くだんの3度目のJB絡み取材の直前だったのだ。
左から)2016年版パンフレット、2018年版パンフレット、ミュージカル『きみはいい人、チャーリー・ブラウン』(2021年)パンフレット(筆者所有)
その時はミュージカルとは無縁だった花村が、『RENT』で彗星のごとくミュージカルシーンに現れたのが2020年末のこと。