2022年12月16日 12:00
#MeTooに火をつけた、『SHE SAID』で描かれる“衝撃の告発”が世界中に与えた影響とは
たちを勇気づけ、立ち上がらせた。
本作のメガホンをとったマリア・シュラーダー監督は、その非常に大きな意義について「このスクープ記事とそれに続く動きが与えた影響は、非常に大きいものだった。おそらく大きな変化は男女ともにセクハラや虐待のような個人的な体験を考え直しているところにある。この変化は甚大よ。私たちは自分の経験をより自由に共有できるようになった。まるで光が差し込んできたように感じられ、みんなそれに合わせて順応している。私たちは皆、自分自身の行動と周囲の人々の行動をよりよく見極めることができるようになったと思う。このことは、私たちの子供たちやその先の世代にも受け継がれていくと信じている」と語っている。
また、この調査報道が露呈させたのは映画業界に蔓延る性犯罪、セクシャル・ハラスメントや性加害の問題だけではない。権力や影響力などのパワー下におけるジェンダー格差やパワーハラスメント、ジェンダーステレオタイプ(性別に対する固定化された思い込み)にも焦点があたり、世界各国で問題提起が行われた。2018年に開催された第71回カンヌ国際映画祭のレッドカーペットでは審査員長のケイト・ブランシェットやレア・セドゥ、この翌年に他界した映画監督のアニエス・ヴァルダら映画業界で働く女性たち82名が集結しデモを実施。