世界の映画をこれからも日本で紹介していくために。未曾有の危機に直面した映画配給会社にre:STARTへ向けた試みを聞く
好きな映画を勧められない。こんな心苦しい気持ちになったのも初めてですね」
劇場収入のウェイトが大きいミニシアター作品。それが途絶えるのは死活問題
劇場での公開がストップすること。これは独立系映画配給会社にとって死活問題であることを明かす。
「大手配給会社と比べると、独立系配給会社は収益の多くを映画館収入から得ています。その映画館は、全国のミニシアターです。
私どもが手がける世界各地の作品だったりアート系の作品というのは、最近ではテレビの地上波で放送していただくことはほとんど期待できません。CS放送や配信サービスでかろうじて取り上げていただけるぐらいです。
DVDなどのソフトに関しても、今はなかなか売れない厳しい時代。ですから、本当に劇場収入のウェイトが大きいんです。
配給会社は映画の権利を買い、それを宣伝し、公開して皆さまに作品をお届けします。1本の映画を届けるまでに大体半年ぐらいかかります。この間、支出はあっても収入はありません。劇場公開が始まってようやく収入を得る。先頃まで映画館は閉まっていましたが、いったい映画館収入がどうなっているのか、もう怖くて考えられません(苦笑)」
現在、少しずつ映画館の再開が始まった。