2024年2月9日 20:00
Laura day romance、東名阪ツアースタート 初日東京公演で新曲2曲を初披露【ライブレポート】
だが、順風満帆でもなかったのも事実だ。5月にギターの川島健太朗が脱退、マネジメントチームが変わるなど、バンドを取り巻く環境は目まぐるしかったが、そんな中でもフェスへの出演や前出のワンマンライブに新たな体制で臨んできた。
この日のMCで井上花月(Vo)が「本当に大変な年で。メンバーや皆さんに感謝が尽きない日々です」と思わず本音を吐露していたのも頷ける。この発言のみならず、彼女の何も取り繕わず、堂々と今の心境を言葉にする清々しさと品性はボーカルスタイルに繋がるもので、ローラズの音楽を特別なものにしている大きな理由だ。
ツアー初日なので詳述や曲順の列挙は避けるが、アンコールを含め約2時間を占めていたのはツアータイトルでもある「We are who we are」――私たちは私たちであるという所信表明を演奏で具体的に提示するというスタンスだった。スタンドマイクに向かい、ほぼ直立で歌に魂を込めていく井上の姿は気持ちいいほど潔い。また、サポートメンバー3人と組み上げていくアンサンブルは隙間の多いモダンな音像で、歌が伝えたいことをより際立たせる。
特に礒本雄太(Ds)の手数を抑え、ドラムサウンドで勝負するビートは現行の世界的なポップスとも符号する。