2024年5月2日 11:00
現時点での最高傑作。キ上の空論『除け者(ノケモノ)は世の毒を噛み込む。』獣三作 二作め
キ上の空論による「『除け者(ノケモノ)は世の毒を噛み込む。』獣三作二作め」が5月9日(木)よりシアタートップスにて上演される。
2013年に中島庸介により旗揚げされ、昨年10周年を迎えた演劇ユニット「キ上の空論」。何気ない会話の中にある毒と傷、滑稽な人々の生活を描き続けてきた。
そんな彼らは、今年タイトルに「けもの/ケモノ/獣」を入れ、「獣」をテーマに全く違った物語を描く「獣三作」の上演を行っている。3月には紀伊國屋ホールで「一作め」となる『けもののおとこ』を上演したばかり。この作品では、シングルファーザーとして“女に選ばれる男”になるよう自分を育ててきた父親を内心で見下す主人公が、父の「一番いい女を選ぶ、他は捨てる」という言葉のとおりに周りの女性と関係しては捨てていく姿を描いた。
今回の『除け者(ノケモノ)は世の毒を噛み込む。』では、かつて引きこもっていた経験があり、いまは“寝取られ”の性癖をもつ夫婦やカップルとSNSを通じて出会い、公認で依頼者のパートナーと関係を結ぶ男・正木円治(まさきえんじ)と、そんな円治に精子提供という名の“孕ませ”の依頼をする星野夫妻を描く。
中島によれば、「タブーを切り捨てるのはなんか違うだろうと思い、目を背けたくなるようなシーンも決心して描きました」