ターナーのライバルでもあったイギリスの風景画家コンスタブル 日本では実に35年振りの大回顧展が三菱一号館美術館にて開催
(C)Tate
19世紀初頭、当時は歴史画の背景と見なされていた風景画を刷新し、その評価を引き上げたことで知られるイギリスの画家、コンスタブル。日本では実に35年ぶりとなる大回顧展『テート美術館所蔵コンスタブル展』が2月20日より三菱一号館美術館にて開催される。
同じ時代にイギリスで活躍した風景画家として、日本ではターナーが知られているが、ターナーが絶えず各地を旅し、国内外の景観を膨大な数の素描に収めたのに対し、コンスタブルは、ひたすら自身の生活や家庭環境と密接に結びつく場所を描いた。故郷サフォーク州の田園風景を、太陽の下で描いた瑞々しい作品の数々からは、画家がいかに故郷の自然や人々を愛し、慈しんでいたかを伺い知ることができる。
《ザ・グローヴの屋敷、ハムステッド》1821-22年頃、油彩/カンヴァス、35.6×30.2cm、テート美術館蔵 (C)Tate
《マライア・ビックネル、ジョン・コンスタブル夫人》1816年、油彩/カンヴァス、30.5×25.1cm、テート美術館蔵 (C)Tate
同展では、世界有数の良質なコンスタブルの作品群を収蔵するテート美術館から大型の風景画や再評価の進む肖像画などの油彩画、水彩画、素描およそ40点、同時代の画家の作品約20点、さらに国内で所蔵される秀作を含む全85点を紹介。