2022年9月5日 12:00
「わからないこと」や「違うこと」を怖がらず興味を持ってもらいたい― 串田和美×小日向文世、名作『スカパン』に寄せる想い
でもだんだんとやり残したことが体の中に溜まっていって、自分じゃないなにかに、「あれもう一回やってよ」と催促されるような感覚が出てきて。ほら、舞台って生き物だから、いつも同じようには出来ないですよね。この時代、この肉体、外側の条件も内側の条件も折り合いをつけながらやっていくもの。でもだからこそ面白い現象が起きるんじゃないかと思います。
――小日向さんにとっては約30年ぶりの『スカパン』になりますが、当時特に印象に残っていることは?
小日向まだ少年だった中村七之助(当時11歳)くんが出ていたんですが、彼いつも平気な顔で、本番前も全然緊張していなかったんですね。でもある日突然ビクビクしているから、「どうしたの?」と聞いたら、「今日お父さん(=故中村勘三郎)が観に来る」って(笑)。
串田(笑)。
小日向七之助くんにとっては客前に立つより、お父さんのほうがよっぽど怖いんだなと。
それが一番印象に残っている出来事ですね。
――いかに勘三郎さんが厳しい父親だったかがわかるエピソードですね。
串田うちは全然怖がられていないと思いますけど(笑)、そちらはどうですか?
小日向うちもどうかな~(笑)。