くらし情報『江戸の名画を題材に、令和の日本を描き出す『福田美蘭展 千葉市美コレクション遊覧』をレポート』

2021年11月12日 18:00

江戸の名画を題材に、令和の日本を描き出す『福田美蘭展 千葉市美コレクション遊覧』をレポート

江戸の名画を題材に、令和の日本を描き出す『福田美蘭展 千葉市美コレクション遊覧』をレポート

福田美蘭《見返り美人鏡面群像図》2016年 平塚市美術館
つづいて、千葉市美術館の収蔵品と、それらを元にした福田の新作が並ぶコーナーへ。2つの作品を見比べられるよう、直交する壁に配置されている。

福田の《三十六歌仙紀友則》は、鈴木春信による同名の錦絵を下敷きにした作品だ。図柄はまったく同じ両作品であるが、紙に凹凸をつける「きめ出し」の施し方に違いがある。春信は積もる雪をきめ出しで表現しているが、福田は頭巾をかぶる女性の口から飛び出る飛沫を表現したのだ。飛沫はお供する少女の顔にまで届いてしまっている。


江戸の名画を題材に、令和の日本を描き出す『福田美蘭展 千葉市美コレクション遊覧』をレポート

(左)福田美蘭《三十六歌仙紀友則》2021年 (右)鈴木春信《三十六歌仙 紀友則》1766年頃 千葉市美術館
江戸の名画を題材に、令和の日本を描き出す『福田美蘭展 千葉市美コレクション遊覧』をレポート

福田美蘭《三十六歌仙紀友則》部分 2021年
《二代目市川團十郎の虎退治》は、鳥居清倍の同名作品を下敷きにしたもの。福田は本作品に登場する虎をコロナウイルスに見立て、共生や共存を目指す新しいビジョンを描き出している。《風俗三十二相けむさう享和年間内室之風俗》は、煙に顔をしかめている女性を描いた月岡芳年の作品を礎にしたもの。福田の作品ではなぜか煙が5つの輪となり、女性の周りを取り囲み、夏に開催された大型スポーツイベントを思い出させる構成となっている。

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