「オペラの至福が確実にある」ローマ歌劇場2023年引っ越し公演9月26日まで
だが、それだけの価値を確実に実感できる極上のエンタテインメント……それがローマ歌劇場公演だ。
この度の演目は、ヴェルディの『椿姫』とプッチーニの『トスカ』。イタリアオペラの2大傑作だ。その魅力を実際に演奏するアーティスト達のコメントから観察していこう。
ミケーレ・マリオッティ(c) Shoko Matsuhashi
まずは、この劇場の音楽監督にして指揮をするM・マリオッティ。オペラを振らせたら、ゾクゾクするくらい魅了してくれる天才的指揮者は、「オペラは古いものではありません。常に新しい! その物語は若者が主人公です。彼らの恋愛が、現代に生きる私達の物語であるのを示してくれます。
それを伝えるのが大切。オペラは今に生きる私たちの芸術なんです」と言い切る。
リセット・オロペサ(c) Shoko Matsuhashi
『椿姫』で主人公を歌うソプラノ、リセット・オロペサは、近年この役を当たり役として世界中のオペラハウスで引っ張りだこのスター。「『椿姫』は悲しい物語ですが、信じられないほどの美の世界が展開します。それはロマンス、愛、幸福の美なんです。そこに苦しみや葛藤が複雑に絡んで、しかもロマンチックで美しい音楽がある。」