2021年10月27日 18:00
劇団た組『ぽに』開幕直前インタビュー 藤原季節「シンプルに『あーおもしろい!』と言える作品です」
――ごっこ遊びとはどんな感じでしょうか。
今まではもうちょっと「(実際に我々が生きる)日常の中でのリアリズム」というものを大事にしてきたのですが、今作では、「この作品におけるリアリズム」を大事にしている。あくまでこの『ぽに』という物語におけるリアリティを大事にしているような感じです。だからいろんなことがどんどんはみ出していっているというか。稽古していても「あ、そういう発想で進んでいくんだ」みたいなことが多いんです。出演者には、平原テツさんだったり金子(岳憲)さんだったり、そういう“遊び”がすごく上手な先輩方がいるので。きっと観ていてビックリ箱みたいな感じがあるんじゃないかと思います。
――“遊び”ってどういうものなんでしょう。
普通の椅子が違うものに変わっていたりとか。なんかそういういうことが次々起きるんですよ。
――ああ、なるほど。ごっこ遊びではそういうことがありますよね。公園に落ちてる葉っぱがお肉ってことになったり。
それをやるには『ぽに』という物語の世界にガバッと飛び込む大胆さが必要だと思うんです。頭の中にたくさん台詞があって、段取りがこうなって、みたいなことにとらわれていたら、ただの椅子が違う物に見えるってことは起きないと思う。