トロント国際映画祭:レイチェル・ハウスの長編監督デビュー作『The Mountain』
この山をタラナキにすると決めたことが、ハウスにとってのとっかかりとなる。
「私たちマオリの文化において山がいかに大切なのかを世界に伝える、すばらしい機会だと思ったの。マオリの文化にはユーモアがたっぷりあるということも語れると思った。マオリの人たちは、悲しみに笑いで対応する。お葬式も、3日間かけてやるけれど、亡くなった人の話をしながら、みんなで泣いて、笑うのよ。最初の脚本を書いたトム・ファーネスは、そういった私の希望をオープンに受け入れてくれたわ」。
3人を演じる子役は、数百人が応募したオーディションで選ばれた。
「長年の仕事、特にタイカとの仕事で学んだひとつは、子役をキャスティングする上では、もともとの性格がキャラクターに近い子を選ぶべきだということ。
そのキャラクターを自然に理解できることが大事。最初のオーディションでは、自己紹介をする動画を送ってもらった。それだけでもその子のパーソナリティがかなりわかるから」
山は大きく、昔からあり、これからもずっとある。それに比べると、人ひとりの命は、とても短い。ストーリーはシンプルだが、観た人に多くのことを感じさせる。
「人は、生まれ、死んでいく。