2022年12月27日 12:00
江戸時代に腐食銅版画技法を大成した遅咲きの画人・亜欧堂田善の17年ぶりの大回顧展、1月13日より開催
前者の《二州橋夏夜図》などは、11.9cm×17.3cmという小品であるにもかかわらず、1cm四方になんと80本の線を掛け合わせる超絶技巧が駆使されている。会場では国内に現存する最古の銅版画制作用具なども展示される。
また洋風画でも油彩画と屛風が融合した江戸時代最大級の油絵である《浅間山図屛風》(後期展示)や、近年再発見され、74年ぶりに公開されるという《湖辺武人図》など、貴重な作品が目白押しだ。《浅間山図屛風》は、その下絵なども紹介するなど、亜欧堂田善の「創造の軌跡」にもスポットを当てる。「謎多き」絵師・亜欧堂田善の全貌に迫る同展は、彼本人の業績はもちろんのこと、江戸時代人の旺盛な好奇心や知識欲にも圧倒されるに違いない。
亜欧堂田善 《浅間山図屏風》 江戸時代(19世紀)重要文化財東京国立博物館蔵TNM Image Archives※後期展示
亜欧堂田善 《二州橋夏夜図》(『銅版画東都名所図』のうち) 江戸時代(19世紀)重要文化財須賀川市立博物館蔵※前期展示
亜欧堂田善 《今戸瓦焼図》 江戸時代(18~19世紀)神戸市立博物館蔵※後期展示
亜欧堂田善 《フローニンヘンの新地図》(『銅版画見本帖』のうち)