2023年5月16日 16:00
【レポート】美しく、温もりある魅せ方で“不思議”を生みだす ミュージカル『ファインディング・ネバーランド』
山崎育三郎が主演するミュージカル『ファインディング・ネバーランド』が5月15日、東京・新国立劇場 中劇場で開幕した。劇作家ジェームズ・バリがある家族と出会い、『ピーターパン』を生み出し上演するまでを描く物語。アラン・ニーによる戯曲『The Man Who Was Peter Pan』と、ジョニー・デップ主演の同名映画(邦題『ネバーランド』)が原作で、2015年にブロードウェイで開幕したミュージカルの待望の日本版だ。ファンタジーとリアルが溶け合う繊細で美しい物語を、演出の小山ゆうなと山崎ら出演者が、温もりある作品として丁寧に描き出した。
大人になりきれない大人と、大人にならざるを得なかった子ども
舞台は19世紀後半のイギリス。新作を求められるも似たようなストーリーしか作れず行き詰っていた劇作家ジェームズ・バリは、ある日公園で海賊ごっこをしている未亡人シルヴィアとその4人の子どもと出会う。
彼らと触れ合ううちにかつては自分も空想の世界で自由に遊んでいたことを思い出し、人に期待されるものではなく、自分自身が描きたいものを書きたいと思い始めるバリ。想像の世界では公園は湖になり、人魚が泳ぐ。