2022年12月22日 12:00
シーレの作品を中心にウィーン世紀末美術を展観『レオポルド美術館 エゴン・シーレ展』1月26日より開催
自己の内面を深く追究したシーレは特に自画像で名高いが、今回は《ほおずきの実のある自画像》をはじめとした代表作がいくつも来日するのも見どころのひとつだ。不穏な母子像や、心象が映り込んだ風景画、生涯をかけて果敢に取り組み続けた裸体画など、その特異な才能を直に目撃できる貴重な機会となる同展はまた、画家の言葉などを通じ、その短くも激動の生涯にふれられる点でも興味深い。
同展のもうひとつの見どころは、先輩格のクリムトらウィーン分離派の画家たちや、ともに活動した友人画家たち、そしてココシュカやゲルストルといったウィーン表現主義の画家たちもまた手厚く紹介されていること。約120点の作品によって、シーレという天才を回顧しつつ、19世紀末から20世紀初頭にかけてのウィーン世紀末美術に親しめる見応えのある展観となっている。
エゴン・シーレ《ほおずきの実のある自画像》1912年レオポルド美術館蔵Leopold Museum, Vienna
エゴン・シーレ《母と子》1912年レオポルド美術館蔵Leopold Museum, Vienna
エゴン・シーレ《自分を見つめる人Ⅱ(死と男)》1911年レオポルド美術館蔵Leopold Museum, Vienna
エゴン・シーレ《モルダウ河畔のクルマウ(小さな街Ⅳ)