くらし情報『舞台『スカパン』より串田和美×小日向文世の対談動画&ロングインタビュー公開』

2022年9月26日 19:10

舞台『スカパン』より串田和美×小日向文世の対談動画&ロングインタビュー公開

――串田さんがタイトルロールを演じる『スカパン』の初演は、1994 年シアターコクーンでした。

串田もとは喜劇だけど、スカパンという一人の人間が“生きのびる知恵”として口八丁、手八丁で喋りながら動いているというか、人物の根っこや息遣いがうまく出せないかなと考えたのが初演。古い翻訳調の言葉ではなく、内藤俊人さんという大森博史さんの知り合いに新しく訳してもらって、そのテキストをもとに半分オリジナルの脚本を作りました。再演以降は僕が演出してますが、初演は(オンシアター自由劇場のメンバーだった)真名古敬二さんに演出してもらって、劇団みんなで試行錯誤しながらつくったんです。

――以前お話を伺った時も「親知らずが奥でうずいているみたいな戯曲」と表現していましたが、串田さんの『スカパン』は、ただ底抜けに楽しい喜劇ではありません。いたずらしたり大騒ぎしたり、スカパンは人々と一緒にいる時は明るく振る舞っていますが、家に戻って一人で食事をする場面などに彼の孤独が垣間見えたり……原作にはない、底辺で暮らす男の「生活感」を感じさせる場面が印象的に挿入されます。

串田僕にとってこの作品は、喜劇でなきゃいられないというか、必死で喜劇であろうとする感じがあるというか、奇妙な憂鬱感が感じられる戯曲なんです。

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