くらし情報『新版画において異彩を放つ存在だったポール・ジャクレー、首都圏初の展覧会を6月3日より開催』

2023年5月17日 11:30

新版画において異彩を放つ存在だったポール・ジャクレー、首都圏初の展覧会を6月3日より開催

ポール・ジャクレー《極楽鳥、セレベス》(個人蔵)(c) ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2023 E5060前期展示


2023年6月3日(土)より、太田記念美術館では『ポール・ジャクレーフランス人が挑んだ新版画』を開催する。

ポール・ジャクレー(1896-1960)は、パリに生まれたフランス人。3歳の時に来日してから、64歳で亡くなるまで日本で過ごし、昭和9年(1934)、38歳の時から色鮮やかな木版画を次々と刊行した。同展は、ジャクレーの新版画全162点を首都圏で初めて紹介する展覧会だ。

明治末期から昭和にかけて、日本の版画は、作画、彫刻、印刷という行程を美術家がひとりで行う「創作版画」と、江戸時代の浮世絵同様、絵師、摺師、彫師が協同して、ひとつの作品を作り上げる「新版画」の流れがあった。幼い頃から浮世絵を愛し、収集や模写を行っていたというジャクレーが飛び込んだのは、もちろん、新版画の世界である。

新版画といえば川瀬巴水や吉田博などの風景画が有名だが、ジャクレーが描いたのは、サイパン島やヤップ島といった南洋のミクロネシアの島民たち。昭和初期、30代前半だったジャクレーは、日本の委任統治領だった南洋の島々に何度も長期滞在し、島民たちと親交を深めながら、数多くの水彩画を描き、それを新版画の制作へとつなげていった。

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