戸田恵梨香&大原櫻子が映画『あの日のオルガン』撮影を振り返る
平松監督と言えば、巨匠・山田洋次監督作品で、脚本や助監督を長年務めてきたベテランだが、戸田はあるシーンで「歌舞伎みたいにやって」と言われたそうだ。「私自身、歌舞伎に馴染みがなく『どういう意味なんだろう』と思いつつも、つい『わかりました』と返事をしてしまったんです。その夜、ホテルに戻って歌舞伎の動画などを見たのですが、いまひとつ真意がつかめず……。『違和感が欲しい』とも言われていたので、台本の句読点を少しずらしたりして撮影に臨んだんです」。
戸田の芝居に対して、平松監督は特にNGを出さなかったため「これでいいんだ」と思ったという。「すごく抽象的なことをポンと渡されました。役者にすごく課題を与える方なんだと思う一方、ある意味ですごく燃えました」と撮影を振り返っていた。
大原も「リハーサルで100パーセントを出さないと本番にいけないという感覚があった」と平松演出の特徴をあげる。
完全にテストの段階までに芝居を作り上げてから本番に向かうため、まるで舞台のような感覚だという。大原は、こうした感想をスタッフに投げかけると「山田組がそうなんですよ」という回答が返ってきたそうだ。「準備が大切。子役でも徹底的に追い込むんです。