2023年2月7日 18:00
早乙女太一×倉科カナ対談“二人三脚”で夫婦役に挑む『蜘蛛巣城』
(一同笑)
倉科私も二日目くらいで心が折れて。(一同笑)(テレビや映画など)映像は1、2回のテイクで完璧なものを提出しなくちゃいけない、そんな瞬発力を必要とするけど、舞台は失敗したり遠回りして、少しずつ構築していくところがいいなと思っているんですね。ダメなところをたくさん見せていける、その良さがあると。でも本当に二日目にして喝を入れられて、本読みで固まっていたものを壊された感じがしました。それはいいことですよね。時代劇だからこうっていう固定概念じゃなく、一言一言を大切に、そこにその人の生きざまが現れるんだなって思い知らされたというか。二日目に衝撃を受けたことが逆に良かったのか、今はちょっと楽しめています。ごめんなさい、遠回りしちゃって。
(一同笑)
――演出の赤堀雅秋さんが、2001年に舞台化した際の上演台本(脚本・斎藤雅文)を改訂されました。今回の台本の印象はいかがですか。
早乙女シェイクスピアの『マクベス』を下敷きにした物語ですが、ものすごく展開が早くて、短くシャープにまとめられている印象です。言葉もだいぶ削られて、感情のアップダウンがジェットコースターのように激しくて。でもその中にちゃんと赤堀さんらしさが、勢いだけに飲まれない繊細な部分が要所要所に盛り込まれているんですね。