くらし情報『サカリ・オラモが東響定期に初登場。「鳥」でつながる大自然の調べ』

2024年3月25日 12:00

サカリ・オラモが東響定期に初登場。「鳥」でつながる大自然の調べ

次に、昨年亡くなったサーリアホの「サーリコスキ歌曲集」が演奏される。フィンランドの詩人サーリコスキの詩による歌曲で、自然と人間との関わりも色濃く投影される。そして、この曲も、ソプラノが鳥の声を模したトリルで始まる。作曲家が目指したのは、声をオーケストラのなかに引き入れること。コムシの表現力があってこその音楽だ。

シベリウスの「ルオンノタル」は、この作曲家の交響詩のなかでは、演奏される機会に恵まれない作品だろう。というのも、ソプラノ独唱とオーケストラのための作品で、その歌唱にはハイレベルのテクニックが要求されるから。コムシの幅広い声域がこの曲でも生きてくる。
その歌詞はフィンランドの英雄叙事詩「カレワラ」の冒頭による。創世記的な内容をもち、鳥(カモメ)が重要な役割を果たす。つまり、これまでの3曲からは、鳥を介して、自然と人間との関わりという共通のテーマも浮かび上がってくる。じつに練り上げられたプログラムだ。

そして、ドヴォルザークの交響曲第8番。明晰に縁取られた響きのなかに、ユニークな感性をきらめかせるオラモの個性がより浮き彫りになる。強弱のコントラストも鮮やかに、キレキレのドヴォルザークをホール全体に響かせてくれるはずだ。

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